マースダム入港歓迎式典に参加した横浜観光親善大使の川内美月さん(横浜港大さん橋国際客船ターミナル)

マースダム初入港(2019年 横浜港)

客船マースダム初入港歓迎セレモニー
主催 横浜市港湾局
日時 2019年7月31日(水) 10:30-11:30ごろ
場所 横浜市大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区海岸通1-1-4)
交通 日本大通り駅(横浜高速鉄道みなとみらい線)歩7分
 
 
 今日もまた暑いですが、しかるべき場所でしかるべきことが行われてるようであります。
 

 
 おおー。早速降臨しておられます。
 
  
マースダム入港歓迎式典に参加した横浜観光親善大使の川内美月さん(大桟橋)
 第17代横浜観光親善大使 川内美月さん
 
 クルーズ船の横浜港への初入港時には、観光親善大使さんが振袖姿で歓迎することが恒例となっているようですが、今日はマースダムという客船が寄港しています。
 
 
船内で発生した大量の廃棄物を積み下ろすマースダム号(横浜港大さん橋国際客船ターミナル)
 前停泊地は釧路港だそうですが、早速このように大量の廃棄物が搬出され、入れ替わって大量の水と梱包された食材が積み込まれます。これだけ見ても船が一隻接岸するともの凄い経済効果を生むことが理解できますが、斯様な大量に物を消費する人たちが多数上陸して破竹の勢いでお金を落としていくこともまた容易に想像できます。それゆえ、大金を投じてクルーズ船の寄港を誘致し、入港の際には観光親善大使さんを動員して大歓迎するのであります。
 
 ちなみに、マースダム固有の装備には詳しくないですが、一般的にはクルーズ船を含む今世紀に入る前のすべての船において、ごみの海洋投棄が当たり前のように行われていました。現代のクルーズ船は外洋航海に備えてごみ焼却設備を持っており、可燃物はそこで処理することもできます。プラスティックは国際的に規制が厳しくなり次の寄港地での積み出しが基本になりましたが、有機物(生ごみ)は従来通りディスポーザーで粉砕して領海の外で海洋投棄していると思います。
 
 
マースダム初入港歓迎催事で活躍した横浜観光親善大使の川内美月さん(横浜港大さん橋国際客船ターミナル)
 さて、船内探検(?)を済まされた観光親善大使の川内さん、手に何か持っておられるようです。見学記念品でしょうか。ちょっと拡大させていただきますと、
 
 
マースダム初入港歓迎催事に活躍した横浜観光親善大使の川内美月さんが手にするマースダムの模型(横浜港大さん橋国際客船ターミナル)
‥この船の模型でありました。それには「ms Maasdam」と書かれていますが、「ms」の部分は英語表記される船舶に付与されるプリフィクス(船舶プレフィックス=接頭語)でその船の様態を示し、「ms」は「motor ship」発動機船を意味しており、そのmsを含めたものが堅苦しい場面での正式名称となります。Wikipediaによりますと、クルーズ船運航会社の前は海運会社だったホーランドアメリカライン社(HAL社)は、過去に「ss Maasdam」「tss Maasdam」を所有していました。「ss」は「steam ship」蒸気船、「tss」は知りませんでしたが調べたところ「turbine steam ship」蒸気タービン船のことだそうです。
 
 ちなみに、tssマースダムで4代目となっているので、当代のmsマースダム(1993-)はマースダムの5代目ということになりそうです。tssマースダム(1951-2000)はオランダから西ドイツ→ポーランド→スウェーデンに船籍が移って廃船済み、ssマースダム(1921-1941)は第二次大戦勃発後間もなく連合国軍に軍事物資&兵隊輸送用として徴用され、‥たことを察知したドイツ軍の潜水艦から発射された魚雷で撃沈されたとなっています。
 
 

 ところで MS MAASDAMで検索するとたくさん出てくるのが乗客の死亡事故なのですが、事故発生が2018年11月と言いますから結構最近です。
 
 NEWSWEEKのウェブサイト記事から拾い読みしますと、南太平洋クック諸島のラロトンガ島への立ち寄りの際に、港が小さく直接接岸できないため乗客の島への上陸にはテンダーボート(テンダー=大型船と港との往来用の小さい船=船体側面に吊り下げされている非常脱出用兼用ボートも同じくテンダー)を使用したが、船体側面のテンダー乗り場からテンダーへ乗り込む際、70代の女性客が海へ落下(落下する前にテンダー乗り場とテンダーの間に挟まれた、当時は海の波浪が高かったという情報もあり)。救助されたときには生きていたが間もなく意識を失い、同日中に船上で死亡が確認されたとなっています。
 
 なお、マースダムの事故当時の船長 Ryan C Whitaker氏は交代しており、観光親善大使さん公式ブログによりますと現船長は Arno Jutten氏となっています。
 
 
ms Maasdam as seen in Osanbashi Intl Terminal of Yokohama Port, on bottom Jul 2019.
 ほとんどアメリカ資本となっているHAL社ですが、オランダ発祥の精神を忘れまいとマースダムの船籍はロッテルダム港としているようであります。同社の船は「ノールダム」「フォーレンダム」「フェーンダム」‥のように船名の語尾に全て「ダム」が付くことから、HAL社の船のことを「Dam ship」と言うのだそうです。日本船が「Maru ship」と呼ばれているのはご存知の通りですが。
 
 
ms Maasdam as seen in Osanbashi Intl Terminal of Yokohama Port, on bottom Jul 2019.
 側面はこんな感じで、ケバい色使いの船が多い現代では大人しめですが、これがHAL社伝統の意匠&色なのだそうです。
 
 同社の公式サイトによると、船体は
全長 719 ft(219メートル)
全幅 105.8 ft(32.2メートル)
‥となっており、長さは同社で最小クラスの控えめなものですが、幅はパナマ運河の既存通路(幅32.3メートル)をギリギリで通れる限界サイズとなっています。(ちなみに、世界中のクルーズ船の多くは同運河を通れるように幅32.3メートル以下で設計されていましたが、同運河の新通路が開通した2016年以降の新造船では、幅40メートル以上の巨大なものも続々登場しています。)
 
 
横浜観光親善大使の川内美月さんはマースダム初入港歓迎セレモニーで活躍 (横浜港大さん橋国際客船ターミナル 右側写真は「ザよこはまパレード」にて)
 さすがビューローさん、通常時用とは別にアルファベット表記のタスキも所有しておられます。天下御免の「YOKOHAMA GOODWILL AMBASSADOR」のタスキの威厳で、大使さんも船内ではさぞ厚遇を受けられたことでありましょう。🚢
 
 横浜観光親善大使のつぶやき」に、『マースダムの船内には豪華客船に似つかわしいカジノがあり煌びやかでした。同じような素敵な賭博場が横浜市の山下ふ頭付近に造られたら、市外から訪れる多くのお客様にとても喜ばれると思いました。』とか書いたら文ちゃんが大喜びで賞金がアップして来年の観光親善大使も5名くらいに増えそうですが、そんなもん書けるわけないだろうなあ(笑)。