第35回横浜開港祭の様子(臨港パーク付近 許可を得て撮影)

青年会議所系の公共ミスとは?

(当記事に掲載している画像は、タイトル画像含め撮影当時にブログ掲載許可をいただいていたものですが、当記事の内容とはあまり関係がないところもあるかもしれません。💧 ‥去年途中まで書きかけて放置していた記事である関係上こうなっている次第で。)

 その1その2と横浜開港祭親善大使さんを取り上げさせていただいているのですが、そもそも、横浜開港祭親善大使とは、いったい何をする方々で、どのような仕組みなのでしょうか。

 募集要項を読み解き、横浜開港祭親善大使と横浜観光親善大使を比較しますと、次表のようになります。

横浜開港祭親善大使 vs 横浜観光親善大使(2017年4月現在)
横浜開港祭親善大使 横浜観光親善大使
表向きの主催団体 横浜開港祭実行委員会 公益財団法人横浜観光コンベンション・ビューロー
事実上の主催団体 一般社団法人横浜青年会議所 (同上)
役務内容 メディア出演、駅頭、店舗前でのフライヤー配布や演舞披露による開港祭の宣伝。開港祭当日の来場者接遇、催事番組進行支援。(横浜開港祭以外のものは行わない) 横浜市の観光資源の宣伝、観光催事、市・港湾行事の宣伝、司会、出演、介添。交流都市行事への出演(2017年度より民間の催事への参加も含まれる)
応募資格 18歳以上の明るい女性 高校生不可 18歳以上の方 高校生不可
居住地 制限なし 横浜市在住に限る
募集広告上の関心を引くための特筆事項 「横浜開港祭PR映像(歌・ダンス等)への出演」 「横浜の魅力を効果的にアピールできる、プレゼンテーションやスピーチに自信のある方を求めています。」
募集人数 12名 若干名(近年は継続含め3名 ※1)
応募時添付写真 顔、全身
選考方法 書類審査→面接 筆記試験→面接→2次面接
2017年度の応募締切 3月7日必着 2月3日必着
2017年度の選考日 3月25日(土) 2月18日(土)
2017年度の応募者数 非公表(推定60名余)※2 57名 ※1
選出者の年齢 18-25歳(平均19.9歳 2017年6月2日時点)※5 19歳 22歳 25歳(2017年4月5日付神奈川新聞)
市長への選出報告・表敬訪問 なし あり ※4
任期 3月下旬-6月上旬 1年間 ※1
2017年度の活動日数の目安 任期中の土休日中心 ※3 40回(2016年度実績約30回)
賞金・契約金 なし 3万円(2016年度5万円)
賞品 なし 後援企業から装飾品、宿泊・食事券等
日当・報酬 なし 非公表(推定1.5万円)
交通費 一律1千円 非公表(推定実費支給)

※1 近年は3名体制ですが、主催者側の要請で2年目も継続する方がおられる場合があります。その場合は、残り2名の選出枠を全応募者で競うことになるので、結果的に倍率が跳ね上がることになります。
※2 「700人以上の応募があるということになりますね」としているサイトがありますが、これは「70人以上の‥」の誤記ではないかと思います。当サイトでは、面接可能人数プラスアルファになるまで積極的に応募獲得活動をしているのではないかと推測しています。また、応募者数が公表されないのは、人的コネクションを使った紹介や、前年応募したが選出されなかった有能者に主催者側から要請するような、開港祭準備室選考枠(6名)を使った事実上の推薦枠があるためではないかと想像しています。
※3 他の重要な用事がない限り土休日連続の活動が基本となっているようです。
※4 横浜観光コンベンション・ビューローは市出損(しゅつえん)35%で、ビューローを会社に例えると市は最有力株主となり、林市長はビューローの会長でもあります。
※5 公式サイトと一部は推定より。生年の誤記と見られる方もいますが、ここでは公式サイトの表記にそのまま従っています。

 

第35回(2016)横浜開港祭親善大使の藤田夏澄さん(第35回横浜開港祭 臨港パーク)
第35回横浜開港祭親善大使 藤田夏澄さん

 横浜開港祭親善大使の特徴は以下のようになります。

1. 事実上は横浜青年会議所のほとんど単独主催
 募集要項には開港祭親善大使の主催は「横浜開港祭実行委員会」としており、青年会議所の文字は一切出てきません。
 しかし、実際には同実行委員会の上の横浜開港祭協議会のメンバーの横浜市も横浜商工会議所も横浜観光コンベンションビューローも、開港祭親善大使には全くタッチしていないみたいです。つまり、活動内容や選考方法について市やビューローに口出しされることなく、青年会議所の会員だけで決めることができているようです。

2. 無報酬のボランティア
 一番大きな違いはこれですね。おやつ🍰🍦🍨(笑)やお弁当は出るみたいですけど。対する横浜観光親善大使は、1人呼ぶだけで派遣料3万円也‥。

3. 出番は開港祭と開港祭のPRのみ
 開港祭親善大使なので、これは当然と言えば当然なのですが、2か月ちょっとの間だけの濃密な短期集中型です。
 
4. 衣装(制服)は特注
 毎年異なる意匠で、デザイン担当者のコメントには「可愛らしさ」が出てきます。羨望のまなざしで見る女の子も多いことでしょう。対する横浜観光親善大使は、制服は既製品で原則貸与(靴とバッグは貰える)と見られます。

5. 歌って踊る
 詳しくないのですが、横浜開港祭親善大使は過去にも歌って踊っていた時代があったのでしょうか。さすがに横浜観光親善大使は、歌のレコーディングとか振付の練習とかはしないでしょう(新潟市に行って親善催事でおけさを踊ったりはするかもしれませんけど)。
 同じ横浜市内ですと、先代のシーサイドラインプロモーションガールが歌って踊ってCDも販売して演奏はベース担当(詩曲も!)の社長が率いるバンドと本格派でした。また、YouTubeに残るところですと、いわて純情むすめは2013年ごろに振り付き歌唱を行っていたようです。他のご当地でも振り付き歌唱での観光資源PRは見られますが、いずれも継続はせず1-2代で終了しているのではないかと思います。
 
 

来場者にうちわを配布する第35回横浜開港祭親善大使の清野美涼さん( 臨港パーク)
第35回横浜開港祭親善大使 清野美涼さん

 で、お揃いの衣装の12人ものお嬢さんを選出してPRに任用している青年会議所って一体何ですか? 商工会青年部の生ぬるい活動に満足できないと言い放つ血の気の多いお兄ちゃんらが作った、法人格持った別組織なんですか? ‥とつい1年半くらい前まで恥ずかしながらそう思っていました、漠然と。
 
 商工会、商工会議所、農協とかと違って、青年会議所にはその存在の根拠となる法律がないわけですから、皆が皆知っているわけでないと思います。募集要項だけ見て応募して、返ってきた面接の案内を見て初めて「横浜青年会議所」の文字を見た方も結構おられるのではないでしょうか?

 面接の通知を見て、街頭で演説している角刈りの男たちを想像して怖くなったお嬢さんもいるかも(笑)。まあそういうイメージで応募を避ける人が出ないように募集要項に「青年会議所」の文字を出さないようにしているのかもしれませんけど。

 要するに、ボランティア組織ですね。奉仕を通じての自己研鑽目的の。会員は、他の会員を公表している青年会議所のサイトや会員さんのブログを見ますと、大部分が会社の後継ぎのお坊ちゃまです(弁護士、医師など1代で開業にこぎつけたらしい人も僅かにいます)。横浜は分かりませんけど、似たようなものでしょう。

 3~5万円の入会金と年間10~20万の会費を払って青年会議所の会員になると、夕方は立案と活発な議論をし、夜は意見交換会やら反省会やら作戦会議やらの名目で繁華街をハシゴ、翌日はイベントの実行と、家業は従業員とパパに全部任せてご自身は充実した多忙な日々を送ります。(注:当ブログの主観が含まれています。笑)

 活動内容は、一般社団や法人格なしの場合は物産飲食イベントの企画や実動部隊、公益法人格を持っている場合は少年スポーツ大会の開催なんかが多いみたいです。

来場者にパンフレットを配布する第35回横浜開港祭親善大使の八木田真穂さん(臨港パーク)
第35回横浜開港祭親善大使 八木田真穂さん

 と言っても、商工会でも商工会議所でもない、単なるその他の団体でして、例えば、横浜商工会議所の会員企業は小売・飲食だけで約1900、観光・サービスだけで約1700と、さすが370万都市だなあと思うのですが、横浜青年会議所の会員数は、多い方だと言っても312(同青年会議所のサイトより)で、市の規模からして幅広い人々の意思を代表しているとは到底言えず、公共性が高い団体ではないということは明らかです。
 

公共性の高い団体
(2015年10月ごろ掲載の記事から)

 にも関わらず、なぜ公共ミスのサイトの当ブログで横浜開港祭親善大使を扱うのかというと、やはり、横浜青年会議所が、開港祭実行委員会の上の開港祭協議会の他の公共性の高い団体から、「PR活動の実行力とその実績を認められている」ことが大きいと思います。それゆえ、青年会議所の名前を隠して開港祭実行委員会の名前で開港祭親善大使を募集することが許されているのだと理解することに至ったわけです。(注:当ブログの勝手な解釈が含まれています。)
 
 

第35回(2016)横浜開港祭親善大使の佐野茉央さん(第35回横浜開港祭 臨港パーク)
第35回横浜開港祭親善大使 佐野茉央さん

 そもそも、横浜市役所が出すお金は、今年はどうなのか分かりませんけど、せいぜい開会式典で文ちゃんがお喋りする間の横浜市長が登壇する式典費用分だけの500万円ぽっちじゃないでしょうか。コンベンションビューローなんて、市OBの偉いさんばかりで、実際に機能しているプロパーはほとんどいません。つまりは、商工会議所会員のビッグマネーと、青年会議所の人海戦術がなければ、あんな大イベントは成立しない、そう思うのであります。
 
 それに加えて、無報酬でも満足できるような、お嬢様方の夢を叶える魅力いっぱいの価値のあるメニューをきちんと用意して、募集告知を出すだけでなくあちこち奔走し、その成果として会員のお望みにかなうタイプの親善大使希望者を確保する横浜青年会議所の企画行動力。まことに恐れ入ったのでございます。
 
 
 ところで、横浜以外の都市にも、青年会議所系ミスは存在します。

 有名どころでは、
 
甲府市 湖衣姫

第12代湖衣姫グランプリの前村里菜さん
第12回(2015)湖衣姫グランプリ 前村里菜さん

 この代の236名(主催者発表)もの応募者の頂点に立ったときの気分は格別だったことでしょう。祭りが終わったら任期も終わりということはなく、もちろん観光協会等のイベント出演に1年間活躍されます。
 

岩国市(山口県) ミス岩国

ミス岩国(2015-2016)の本田汐奈さん(ツーリズムEXPOジャパン)
ミス岩国(2015-2016) 本田汐奈さん(ツーリズムEXPOジャパン)

 こちらは、錦川水の祭典の実行委員会のミス選出の事務を青年会議所に協力依頼する形態のようです。つまり、ここの実行委員会は各界の代表できちんと構成され機能していまして、青年会議所に事実上乗っ取られているということはなさそうです。なお、ミス岩国の任期は2年間です。
 
 
 少しマイナーなところで、今なお残っているものでは、

丸亀市一番丁地区(香川県) お城小町(お城村小町)

‥があり、特定催事限定のプロモーションガールという分類は横浜開港祭親善大使と同じです。事実上の主催者である「さぬき青年会議所」は、公益法人格を持っています。